2016年12月24日土曜日

年末年始の予定につきまして

平成28年12月29日(木)から平成29年1月5日(木)まで休診いたします。
平成29年の診療は1月6日(金)からとなります。よろしくお願いいたします。



2016年12月19日月曜日

この世界の片隅に

この世界の片隅に、という映画を見てきました。

観た後に、良い意味で、じわじわと、自分の日々の生活に染み入ってくるような、そんな映画です。各所で言い尽くされていることではあるのですが、主役を演じるのんさんが素晴らしいです。

私たちは、みんな、この世界の片隅で生きているんですよね。その片隅ごとが地続きになっていて、世の中は動いているわけです。だとしたら、その片隅に生きる私にできることはなんぞやetc...

とまあ色々な考えが浮かび上がってきています。お勧めです。
それでは、また。

2016年12月11日日曜日

Leyonaさんのライブに行ってきました

先日、久しぶりにライブに行ってきました。

歌い手はLeyonaさん。彼女の新譜発売に伴って行われているツアーを観に奈良県まで行ってきました。会場は奈良公園近くのフランツ・カフカというブックカフェでした。Leyonaさんは、ルーツミュージックの影響が色濃く感じられる方で、玄人筋に人気が高く、いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンというやつですね。

今回は臼井ミトンさんというプロデューサーとの二人舞台で、この方もまた、すんばらしいシンガーソングライターなのです。

一つ一つの音、ことばを大事にした曲のひとつひとつを、噛みしめるように聴くことができるライブで、2時間強の幸せな時間をすごすことができました。

精神科医として修練するために、論文を読んだり、テキストブックを読んだりするのは大事なことです(というか必須です)。一方で、こういったインプットも同様に大事だな、と改めて感じました。

明日から月曜日ですね。診察予定の皆様、どうぞよろしくお願いします。



2016年10月31日月曜日

臨時休診・代診日のお知らせ

平成28年11月25日(金)は学会出張のため臨時休診といたします。
代わりに前日の11月24日(木)の9:30〜15:30まで開院いたします。
どうぞ宜しくお願い致します。


2016年10月24日月曜日

心臓専門医...

徐々に寒くなってきましたね。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

先ほど、ふと思いつき、Macの地図ソフト、その名も「マップ」で御器所こころのクリニックを検索してみたところ...

なぜか私が「心臓専門医」ということになっていました。Apple社に連絡してみましたが、どうなることやら。「こころのクリニック」ということで、「こころ=心臓」と判断されたということでしょうかね。

以上、小ネタで失礼いたしました。

2016年10月13日木曜日

【祝・ノーベル文学賞】ボブ・ディラン

今年のノーベル文学賞はボブ・ディランでしたね。村上春樹と同じく、以前より受賞の噂がありましたので驚きませんでしたが、それにしてもすごいですね。久々に、昔買った彼の詩集を取り出してしまいました。

私、以前とある場所で、聴衆を前にボブ・ディランの歌詞を朗読したことがあるのです。選んだのは、"Like A Rolling Stone"という、彼の代表曲の中の代表曲です。

歌詞はこんな感じです。

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昔、あんたは着飾ってたね 物乞いに恵んでいたっけ
周りのやつはこう言ってただろう
「気をつけな。今に転落するぞ。」ってね
あんたはそれを笑っていた

いま、あんたは声を潜めてる
いま、あんたは鼻にかけることもしない
次の食事をどうするかってことについてね

一流校に通っていたんだっけ、お前さんは
得たものといえば、ただ搾り取られることに慣れただけ
道ばたでの生き延び方なんて、誰も教えてくれりゃしなかった
いま、お前さんはそれに慣れなきゃいけない

妥協はできないって言ってたね 
どこの馬の骨かわからないやつは嫌だと
だけどな、あいつだってアリバイを売ってたわけじゃないんだ
彼の真空の目を覗いて尋ねてみるといい
「あなたは取引がしたいの?」ってね
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破産した金持ちや、没落した元上流階級の人間を痛めつけているだけのようにも聞こえますね。

このあと、彼はこう問いかけます。

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How does it feel?
How does it feel?
To be without a home
Like a complete unknown, like a rolling stone

どんな気がする?
どんな気がする?
宿無しで、誰にも知られていない
まるで転がる石のように
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さらに駄目押ししてるようにも聞こえるでしょうか?私はそう感じませんでした。はじめてこの歌詞を読んだ時、なぜか暖かさを感じたことを覚えています。彼が問いかけている人たち、金や地位に恵まれていたその人たちは、偽りの人生を送ってきたのではないでしょうか。

さあ、ありのままの自分を見つめてみろ。そこから何が見える?何を感じる?しっかり考えてみろよ。お前はこれから自分の足で人生を生きていくんだから。身一つになった彼ら/彼女らに、彼が厳しくも、優しく、問いかけているように思えるのです。

以上、ロックの歴史を変えたと言われる名曲中の名曲に対する、中学生の頃からの私の勝手な解釈を開陳してみました(笑)。

ボブ・ディランさん、本当におめでとうございます!












2016年10月4日火曜日

複雑性悲嘆の心理療法を開始します

かねてより予告しておりましたが、複雑性悲嘆の心理療法(Complicated Grief Treatment; CGT)を提供開始いたします。

CGTは、対人関係療法、認知行動療法、動機づけ面接などを統合した、複雑性悲嘆に特化された心理療法で、質の高い研究(1 2 3)で一定の効果が裏付けられています。当院ウェブサイトでの説明はこちらです。

楽なセラピーではありません。その途上においては、ときに困難を感じることもあるでしょう。しかし、喪の作業への取り組みを続けるうちに、しだいに悲嘆の暗闇に光が差してきます。そこから見える風景を、ぜひご覧になっていただきたいと思います。セラピストである私は、クライアントの証人として、その道程に付き添います。

問い合わせを、お待ちしております。



2016年9月20日火曜日

ハンサムバーガーに行ってきました

今日、お昼すぎに少し時間があったので、名古屋市営地下鉄の伏見駅地下街にあるハンバーガー屋さんに行ってきました。その名もズバリ、ハンサムバーガーというお店です。

店名のセンスからしてあんまり日本ぽくないなという感じですが、それもそのはず、このお店の触れ込みは、「本場アメリカで学んだサンフランシスコ仕込みの本格派チーズバーガー店」というものなのです。(何が本場なのかはよくわかりませんが)雰囲気重視の私はこのキャッチコピーに惹かれてしまい、いそいそと伏見に向かったのでした。

肝心のお味はというと...いや〜実に美味でした。

私はお店の回し者でもなんでもありませんが、リンクはこちらです。

また行こうと思います。それでは、また。




2016年9月5日月曜日

社交不安障害の集団認知行動療法のお知らせ

2016年10月上旬より、今クールの社交不安障害(社交不安症)の集団認知行動療法を開始します。毎週土曜日午後、全12回の予定です。現在お2人の方がエントリーされており、もう1名参加可能です。ご興味がおありの方がいらっしゃいましたら、お電話、もしくはこちらの問い合わせフォームまでご連絡ください。

社交不安障害の認知行動療法を希望される方にグループ形式の治療をお勧めすると、多くの方が尻込みされます。当たり前ですよね。見ず知らずの人たちで構成された集団に加わろうとすること、それ自体が、社交不安障害を持つ方々にとっては恐れる状況そのものになるからです。

まずは、受診していただければ、と思います。社交不安障害の認知行動療法に興味をお持ちになり受診されたとしても、参加を無理強いすることはありません。お困りごとを伺った上で、薬物療法も含め、いくつかの治療プランを提案させていただきます。

こちら(1)こちら(2)も参考にしていただければ、と思います。ご連絡、お待ちしております。

2016.9.30 募集締め切りました。引き続き、社交不安障害をお持ちの方のご相談をお待ちしております。

2016年8月27日土曜日

認知行動療法の指導者講習会に行ってきました

8月22日(月)から8月26日(金)まで、東京で開催された認知行動療法の指導者講習会に参加してきました。開催期間中、クリニックを休診することとなり、大変ご迷惑をおかけいたしました。

講師は米国からいらした先生でした。指導者を目指す参加者、指導対象となるセラピスト、そして何より、精神障害をもつ患者さんに対する敬意に溢れた方でした。

学んだこと、発見したこと、感じたこと。たくさん持ち帰ることができました。しっかりと整理し、今後の一般診療にも活かしていきます。

行くたびに思いますが、東京は都会ですね。今度は仕事じゃなくて、遊びで行きたいなと思いました。
それでは、また。





2016年7月23日土曜日

【平成28年度】夏季のお休みについて(2016.8.22-2016.8.26)

県外で開催される研修会に出席するため、平成28年8月22日(月)から8月26日(金)までお休みをいただきます。
  • 休み明けの8月27日(土)は診療時間を17時まで延長させて頂きます。初診も受け付けますので、お問い合わせください。
  • お休み期間中の初診申込みについては、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。期間中もチェックしておりますので、申し込みを確認後、こちらからお電話させて頂きます。(院外からの連絡になるため、番号非通知でおかけいたします)
通院中の皆様にはご不便をおかけすることになり、大変申し訳ございません。当研修会に出席することで治療者として少しでも向上できるように努め、得られた知見を日々の診療に還元していきたいと考えております。





2016年7月1日金曜日

開院一周年を迎えました

おかげさまで、本日をもちまして開院一周年を迎えました。

当院はこれまで、看板、新聞など、各種媒体を利用した業者さんによるPRを全く行ってきていません。
基本的には自作ウェブサイトと口コミのみを頼りに運営してきたのですが、多くの方々に来院していただいております。沢山の選択肢の中から当院を選んでいただき、大変嬉しく思っています。また、大切な誰かが心の困りごとに悩んでいるときに、当院受診を勧めてくださった方々にも感謝いたします。

教えを頂いた人、助けてくださった人、関わってくださる人、お一人お一人の顔を思い浮かべつつ、日々の診療に励んでいきたいと思います。

今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。


2016年6月27日月曜日

UA ミルクティー

ある肌寒い冬の日に、すごく嫌なことがあって、とぼとぼ帰宅していたら、雨まで降ってきた。やれやれ、泣きっ面に蜂とはこのことだな、と、ぶつくさ呟きながら、ボロボロになって帰宅したとします。まず、どうしたいですか?私は、あったかいミルクティーが飲みたいな、と思います。

UAさんの名曲、ミルクティーを聞くと、いつもそんな光景が頭に浮かんできます。すごく優しくて、大好きなうたです。プロデュースは朝本浩文さんですが、今聴いても全く色あせないサウンドですね。

みなさんにとっての御器所こころのクリニックが、そんな存在〜冬の日のミルクティー〜になれていたらよいのですが。

寝苦しくなってきた、ある夏の晩に、そんなことを考えました。
それでは、また。




2016年6月15日水曜日

ベゲタミン販売停止

ベゲタミンという薬が今年限りで販売停止となることが明らかになりました。この薬は、フェノバルビタール、クロルプロマジン、プロメタジンの3つの成分からなる合剤です。この中で特にタチが悪いのが、フェノバルビタールです。フェノバルビタールを睡眠薬目的として使用した場合、一度服用を始めると大変やめにくく、すぐに効果が弱くなり、有効量を少し上回る量を服用しただけで命に関わる事態を引き起こします。このため、ベゲタミン依存の患者さんが多数出てくることになってしまったのです。

今回の販売停止は、この状況を重く見た日本精神神経学会からの要望を販売会社が受け入れ、実現したようです。

(自慢するようなことでは全くないのですが)私は精神科医になって以来、自分からこの薬を処方開始したことは一度もありません。いかなる患者さんにとっても、この薬の存在意義は全くないと考えていたからです。

私に担当変更となった患者さんにベゲタミンが使用されていた場合は、必ずその害について説明し、使用を中止するようにしていました。その薬を処方していた医師が先輩であろうと、高名な医師であろうと、これについては1ミリも譲歩しませんでした。(繰り返しますが、これは自慢するようなことでは全くありません。)

今回の販売停止の決定は遅すぎました。しかし、私はこれを歓迎します。患者さんの立場を第一に考え、今後もお薬の適正使用を心がけていきたいと思います。




2016年6月7日火曜日

パニック障害の集団認知行動療法のお知らせ

2016年7月2日(土)より、今クールのパニック障害(パニック症)の集団認知行動療法を開始します。毎週土曜日午後、全8回の予定です。現在お2人の方がエントリーされており、もう1名参加可能です。ご興味がおありの方がいらっしゃいましたら、お電話、もしくはこちらの問い合わせフォームまでご連絡ください。

集団の認知行動療法は、困りごとによって向き不向きがあります。例えばPTSDであれば、私は迷いなく個人療法を勧めます(より正確には、個人療法しか提供しておりません)が、様々な研究、自身の臨床経験、コスト面などを通して考えると、パニック障害については集団療法がオススメです。(もちろん希望される方には個人療法も提供しております。)

こちら(1)こちら(2)も参考にしていただければ、と思います。ご連絡、お待ちしております。



2016.6.27追記
今クールの募集は終了いたしました。引き続き、パニック障害をお持ちの方のご相談をお待ちしております。

2016年5月29日日曜日

Lake Street Dive - Stop Your Crying

私も歳をとって感性が鈍ってきたのでしょうか、音楽の新規開拓をめっきりしなくなってきて久しい今日この頃です。そんな私の感度の悪いアンテナにもひっかかってきたバンドがあります。

Lake Street Diveという米国はボストンの四人組です。同じ学校でジャズをやっていて知り合った四人組だそうです。下記に紹介する動画はStop Your Cryingという曲のスタジオライブ演奏です。自信があるのでしょう、サウンドにお化粧をせず、シンプルに、技術をひけらかさずに、あえてスカスカの音で演奏していますが、かえって演奏力の高さが際立っているように思います。

創造的な才能をもつ人たちってすごいですね。尊敬します。まあ、そういう人たちを羨んでも仕方ないので、私は私なりに、日々できることを積み重ねていくこととします。

明日からまた月曜日の診療が始まります。受診予定の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。







2016年5月22日日曜日

まずは身体疾患を疑うこと

「精神疾患が頭に浮かんでも、まずは身体疾患の存在を疑うこと」

研修医時代、総合内科に在籍していたときに指導医の先生からいただいた言葉です。当時、私はすでに大学病院精神科に入局していたのですが、特例として一般総合病院の内科で研修することを許されていました。

冒頭の指導は、私がすでに精神科に進路を決めていたからこそ頂いたものであり、以来、鉄則として私の頭に叩き込まれました。実際にその後、心の困りごとが主な受診のきっかけであるにも関わらず、主要因が身体疾患であったケースを数多く経験することになりました。

例えば甲状腺疾患です。甲状腺が働き過ぎると不安症状、集中力減退、焦燥感などの、働きが低下し過ぎると抑うつ気分、活動性の低下などの「精神症状」が出現します。

もう一例。気道の閉塞などが原因で、睡眠中に何回も呼吸が停止してしまう、睡眠時無呼吸症候群という病気があります。抑うつ気分、日中の眠気、疲労感など、うつ病と似た症状が出てきます。

当クリニックは開院して1年弱ですが、甲状腺機能異常、睡眠時無呼吸症候群などの身体疾患をお持ちの方をすでに何人も発見し、専門医療機関にご紹介させて頂いております。医療機関としては当然のことですが、受診いただく皆様の困りごとの原因が精神疾患であると決めてかからず、身体疾患も含めた総合的な視点で診療にあたらせていただきます。

ブログを書いているうちに、その指導医の先生の温かい眼差しが脳裏に浮かんできています。大学病院から特例でやってきた、いわば外様研修医の私にたいして、指導医の先生は他の研修医達と分け隔てなく接し、指導してくださいました。もちろん、研修医の先生達も温かく私を迎えいれてくれました。

精神科医、内科医、臨床心理士など、様々な立場の方々にこれまでご指導をいただいてきました。そういった方々への感謝を胸に、日々の臨床を行いたいと考えています。

それでは、また。

2016年4月29日金曜日

歓びを歌にのせて





















「歓びを歌にのせて」というスウェーデン映画を紹介します。


あらすじはこんな感じです。

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病気でキャリアを中断せざるを得なかった世界的指揮者である主人公(ダニエル)は、失意の中故郷へ戻った。そこで出会ったのはアマチュア聖歌隊の面々。彼らのとの交流の中で、ダニエルは、何物にも替え難いものを得て、本当の人生を歩み始める...
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ありがちですよね?私、この手のストーリーに目がないのです。事前にある程度のストーリーは知っていたので、ちょいと心温めさせてもらおうという気持ちで鑑賞を始めました。

しかし、実際の内容は「ちょいと心温めさせて」もらうような軽いものではありませんでした。主人公を含めて、登場人物は誰もが深い葛藤を抱えており、劇中ではこれでもかというくらい、その葛藤をぶつけ合うのです。

ぐったりと疲れる映画でした。言いたいことを抑えて、それなりに日々の暮らしを送ってきた人たちを、主人公が振り回しただけじゃないか、というツッコミもありかな、と思います。一方で、一歩踏み出した彼ら/彼女らが見せてくれる、後悔のない澄み切った笑顔が忘れられません。

この映画はスウェーデン人の五人に一人が観て、劇中歌である「ガブリエラの歌」も大ヒットしたんだそうです。歌詞の一部を紹介します。

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生きている歓びを心から感じたい
私に残されたこれからの日々に
自分の思うままに生きていこう
生きている歓びを心から感じたい
私はそれに価すると誇れる人間だから

チャンスに恵まれない人生だったけど
生きたいという意思が私を支えてくれた

探し求めていたまぼろしの天国
それは近くにある どこか近くに
私はこう感じたい
「私は私の人生を生きた!」と
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ものすごい名曲です....聞くたびに心揺さぶられます....
生きているうちに、少しでも多く、こういった作品に出会いたいものです。

注:暴力的なシーンが含まれる映画です。そういったものが苦手な方にはお勧めしません。













2016年4月19日火曜日

心療内科・精神科医療はクスリありき?

『クスリをなるべく飲みたくないのですが』
「クスリと心療内科・精神科医療はセットです。」

『クスリがあまり効いていなようです。他の治療法はありますか?』
「では、これ以上ウチでは治療できませんね。」

当院に転院して来られた方の中に、上記のようなやりとりをした経験を持つ方が多いことに驚いています。

疾患によっては(統合失調症、双極性障害など)、たしかに薬は治療の主軸として欠かせないものです。しかし、疾患によっては(不安障害が代表的です)、必ずしも服薬が前提となるわけではないのです。

私は心理療法の一つである認知行動療法を専門としていますが、心理療法を志す原動力となったもののひとつが、薬物療法一辺倒に偏っていた(ように私には感じられました)我が国の精神医療に対する疑問でした。

しかし、一方で皮肉なことに、心理療法の側から薬物療法を眺めてみて気づいたことがあります。それは、薬物療法がもたらす安定した治療効果です。徒らに薬物療法を忌避することは、治療の選択肢をわざわざ狭める結果をもたらしかねません。

当たり前の結論なのですが、結局はバランスです。どんな時に薬を使う必要があるのか/ないのか。薬を始める/終える時期はいつなのか。目の前の患者さんのニーズに応えることのできる薬は何なのか。薬物療法以外の選択肢はあるのか。薬物療法と心理療法の併用についてはどうか。これらについてきちんと治療者が把握し、わかりやすく説明することが重要と考えています。

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一度始めたらやめられないのではないか?強い薬を出されてしまうのではないか?どんな副作用があるのか?人格が変わってしまうのではないか?心療内科・精神科で出される薬についての批判的な記事を読んだんだけど...。信頼できる人が薬を飲むのはやめろと言っているのだが...。
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ご不安な点はたくさんあるでしょう。何でも聞いていただければと思います。







2016年4月6日水曜日

うつ病での休職中に生じるさまざまな困りごとについて

うつ病が悪化し、働き続けることが困難になった場合、休養と治療のため、仕事をお休みすることになる場合があります。

・休職中は何をすれば良いのだろう?
・平日の昼間に外出すると罪悪感が出てくる。同僚や上司は働いているのに...。
・何かしろと言われても...。やる気が出てこないので、自宅でじっとしている。
・休職中の会社との連絡はどうすれば良いのだろうか?
・夜になると、今後のことを考えて不安になったり焦ったりしてしまう。
・図書館に通えと会社から言われたけど...
・家族はどのように対応したら良いのだろうか?
・少しくらいなら家事をしてもらっても良いのだろうか?

休職中の方や、その家族からよく聞かれることばです。せっかく休んでいても、なかなか気が休まらない方も多いようです。当クリニックでは、上記に挙げたような「休職中の困りごと」について丁寧にトラブルシューティングし、「回復を妨げる悪循環」から脱出できるようなお手伝いをしていきます。

念願の復職が叶い、少しずつ自信を取り戻していかれる方々の姿を、一人でも多く見届けることができるよう、当クリニックとしても努力を重ねていきたいと考えています。








2016年3月16日水曜日

不安は「有害な」感情で、除去すべき「症状」?

医学では、人間をある種のロボットのようにみなすことがあります。

つまり、病気になった人は、全身のどこかのパーツや回路に異常や不具合があるとみなすのです。ですから、病気を治すためにはそのパーツや回路を取り外す/修理調整する(手術)、交換する(移植)、油をさす/充電する(投薬)ことで対応するわけです。機械主義的な世界観とでも言えるでしょうか。このやり方で、西洋医学はめざましい進歩を遂げてきました。

この考え方(医学モデル)は、精神科領域にももちろん適用されています。ただし、こういったやり方が精神科領域では有害となりうることもあるのです。その代表格が「不安・不安症状」への対処です。

不安・不安症状に対して、我が国では抗不安薬(いわゆる精神安定剤)が頻用されています。多くの場合、不安・不安症状を「有害症状」として捉え、これを「除去」するという狙いのもと抗不安薬が処方されているように感じます。

不安を除去しようとする試みは、うまくいかないこともあります。なぜならば、不安は私たちにとって必要な感情だからです。抑え込もうとすればするほど膨れ上がったり、よしんばうまくいったようにみえても、その代償として活き活きとした感情もろとも抑え込んでしまうことにもなりかねません。

不安・不安症状は除去するのではなく、波乗りをするがごとく、あるがままに乗りこなしていくことが肝要です。もちろん、一筋縄ではいかないのですが、そのお手伝いをさせていただくのが、私の役目の一つと考えています。ご相談をお待ちしております。


2016年2月3日水曜日

パニック障害の標準的な治療について

パニック障害の治療法は二つに大別できます。

ひとつは薬物療法。標準的にはSSRIという種類の抗うつ薬を使用します。他にもある種の三環形抗うつ薬などが有効であることがわかっています。

もうひとつは精神療法です。標準的なものとしては認知行動療法になるでしょう。他にも支持的精神療法、精神分析的精神療法、対人関係療法などが有効であることが示されています。

パニック障害は、数ある精神障害の中でも、治療に反応しやすいもののひとつです。もちろん例外もあるのですが、多くの場合、標準的な治療(すなわちSSRI、または認知行動療法、もしくは両者の組み合わせ)で症状が改善していきます。

しかし、ここでひとつの問題があるのです。「標準的な治療」というのは、「どこでも当たり前に提供されている治療」ということを意味しません。今後当ブログでも触れたいと思っていますが、ひとつの医療機関が、ある精神障害に対して、標準的な治療選択肢を提供できる、ということに対するハードルは、実は意外に高いのです。

当クリニックではパニック障害に悩む方に対して、上記の「標準的な治療」を提供することが可能です。これからも、批判的なものを含めた誠実な研究がなされ、一定の効果が示されている標準的な治療を重視し、これを皆様に提供できるように研鑽を続けたいと考えています。